リオ切符を狙った有力選手は全滅だった。32キロ手前で第2集団からスパートした服部に、今井、藤原、松村は後れを取った。最後まで挽回できず3人とも日本人3位以内を逃した。現役最速の2時間7分39秒を持つ今井は「服部君が動いた時に反応できなかった」。ロンドン五輪代表の藤原は「徐々にペースを上げるのが理想だったが(服部が)いきなりストレートを打ってきた。かけに負けた」。14年仁川アジア大会銀の松村は「内容も結果もぐだぐだだった」と振り返った。

 30キロまでけん制しあってスローペース。藤原が「五輪選考のペースじゃないよな」と言えば、今井も「このレースじゃ選ばれないなと思った」。ただ誰も飛び出すことができず、実績ある選手が総崩れとなった。

 ◆男子マラソン五輪代表選考 代表枠は最大3。福岡国際、東京、びわ湖毎日の各大会で日本勢3位以内が選考対象となり、記録、順位、レース展開、気象条件などを総合的に判断する。日本陸連が設定した「2時間6分30秒」を突破した選手は優先的に選ぶ。複数の選考会に挑戦した場合、設定記録に届かない限りは最初の出場レースが評価対象となる。なお最終選考大会となる3月6日のびわ湖毎日には12年ロンドン五輪代表の中本健太郎のほか、前田和浩、藤原正和、そして一般参加で川内優輝が福岡国際に続いて再挑戦する。