女子マラソンのリオデジャネイロ五輪代表福士加代子(33=ワコール)が、日本女子3人目の金メダルにチャレンジする。18日、東京都内で男女のマラソン代表6人が顔を合わせ、ミーティングが行われた。名古屋ウィメンズ(13日)にエントリーして代表選考に一石を投じた福士は「リオで金メダルだべえ!」と決めぜりふで喜びを表現。本番時34歳で日本女子マラソンの最年長出場となるベテランは、00年シドニー大会の高橋尚子、04年アテネ大会の野口みずきに続く快挙を誓った。

 大阪国際女子のお立ち台で「リオ、決定だべえ!」と叫んでから47日。晴れて初のマラソン代表となった福士は、笑顔で五輪での目標を口にした。「リオで金メダルだべえ!」。自己ベストの2時間22分17秒のスピードを武器に、ケニア、エチオピア勢に真っ向勝負を挑む覚悟を示した。

 騒動の期間中は心が揺れた。1月の大阪国際女子で2時間22分17秒で優勝。しかし、日本陸連の選考要項で落選の可能性があることから13日の名古屋ウィメンズにエントリーし、最終的に参戦は取りやめた。代表決定までの1カ月半を「落ち着かなかった。いっぱい騒がせたのもあるし。いいことをしているのか、悪いことをしているのか。でも悪いことしてるわけじゃないしなあ」と振り返った。

 大阪国際女子の後に温泉や銭湯に行った際には「どっかで見られているような。私ここに入っていいの?」と戸惑ったという。「マラソン選考がこんなにも沸騰するとは。びっくりした。マラソン、みんな好きなんだ。すごいね、日本」とびっくり。理想の選考方式を問われると「一発選考。選ぶ方も簡単じゃん。(五輪の)4年に1回は、どうにかならないかなあとは思いますけどねえ」と話した。

 騒動も一段落してリオ本番に向かう。五輪金メダルの目標は、銅メダルを獲得した13年世界選手権モスクワ大会後に決めた。「そんなに長くやることもないだろうし、自然と出た。前はまだやれるというのがあったが、もうないし。最後だと思ったから金と言ったほうがいいかなと」。過去3度はトラック種目で出場。「トラックだと金を狙うと言えなかったが、マラソンは言える。先輩(高橋、野口)の功績がある。私が乗れる舞台がある。チャンスと思って狙っていきたい」。3人目の金に照準を合わせた。【益田一弘】