男子200メートル予選2組で08年北京五輪の同400メートルリレー銅メダルの高平慎士(富士通)が、21秒21で6位に終わり、4大会連続五輪出場を逃した。

 スタートからスピードに乗れずトップ通過の藤光謙司(ゼンリン)らの背中がどんどん遠くなる。まさかの最下位で夢が途絶えた。「これが世界に通用する男子200。こんな甘い走りで(予選を)通ることはできない。受け入れながらやっていくのは正直、しんどかった」と短距離界を引っ張り続けたベテランの目から涙が流れた。

 去就については明言しなかった。それでも「退く時が近づいていることは確か。それが今シーズンなのか、来シーズンなのか」と話し、前日、一線を退くことを明言した室伏広治(ミズノ)、水泳の北島康介氏らの名を挙げながら「世代交代の時がくる。そういうことが起こるのが五輪」と言った。今後は「まだ何も考えられない。ただ、やり残したこともあるので…」と心は揺れていた。