20年東京五輪正式種目となったスケートボードに、激震が走った。日本ローラースポーツ連盟は24日、世界選手権(9月、中国・南京)の実施種目がストリートからバート(ハーフパイプ)に変更されたと発表。五輪実施予定の種目から非実施種目に変わるドタバタで、4月の第1回日本選手権で選考した世界選手権代表候補も宙に浮いた。

 衝撃的なニュースが国際ローラースポーツ連盟(FIRS)から日本連盟に入ったのは18日だった。バート実施は五輪に向けて意味のない決定。日本連盟はFIRSに見直しを要求したが認められず、日本選手権出場選手に書面で連絡した後に正式発表となった。

 世界選手権とその先にある東京五輪を目指した選手にとって、まさかの決定。日本代表候補の強化は継続するとはいえ、目指す大会はなくなった。ストリート代表候補の中には池田大亮らバートもこなす選手がいるとはいえ、基本的には違う種目。代表は実績などで新たに決めるが、賞金も五輪の目標もない大会に希望者がいるかも疑問だ。

 根底には、FIRSとストリートリーグなどを主催する国際スケートボード連盟(ISF)との関係もある。両者は昨年、共同で「東京2020委員会」を設立したが、協力はあくまで東京五輪に限ったもの。世界選手権でストリートを実施しようとしたFIRSとISFとの関係が悪化した可能性もある。「最悪の場合は、東京五輪から外れるかも」と言われるほど、問題は深刻化している。