北京五輪女子マラソンを左太もも肉離れで欠場した野口みずき(30=シスメックス)が痛みを再発させ、現在は一切走る練習をしていないことが20日、分かった。所属先の広瀬コーチが明かしたもので、マラソン復帰の有力候補に挙がっていた9月のベルリン出場は困難な状況。12年ロンドン五輪に向けた復帰プランは完全に「白紙」に戻ってしまった。

 数日前のジョギング練習中、走りに異変を感じた同コーチが野口に確認。本人が痛みを認め、19日には京都市内の病院で精密検査を受けた。すると北京五輪の時とほとんど変わらない炎症があったという。広瀬コーチは「(五輪後は)痛めたり、よくなったりの繰り返し。今は無理できない。完治するまで、周辺の筋力を落とさないようにするしかない」と嘆いた。

 現状から判断すると、今春のトラックレースは回避が濃厚だ。「この状態から逆算すると、ベルリンも厳しい」と広瀬コーチ。野口も「長い時間走るとまだ…」と口ごもっていた。