<高校総体:北海道予選>◇23日◇陸上◇北見市東陵公園陸上競技場

 陸上男子400メートルで柳沢純希(函館大有斗3年)が46秒99の大会新で優勝、同種目では大会史上初の3連覇を達成した。柳沢はゴールした瞬間、掲示された速報タイムを見て驚いた。「99と見えたので47秒99だと思っていたら、46秒台、出来すぎで怖いくらい」と声を弾ませた。

 この日のトラック競技は、ホームストレートの向かい風(約2メートル)の影響もあって、記録は伸び悩んだ。予選、準決勝と2レースを走った柳沢の作戦は「スタートから飛び出して向こう正面の追い風に乗り、その勢いでいけばいい」。決勝はイメージ通りに進んだ。スタートを決めると、第1コーナーからスパート、バックストレートは風をつかまえて加速した。ホームストレートでは風がやんだ。それを感じた柳沢は「よし、いける」と、2位花川に1秒83をつける圧勝。

 400メートルでは06年全国中学の覇者。高校1年の一昨年はケガに泣き、昨年は3位。今年にかける気持ちは強い。今年3月の静岡合宿で100、200メートルの日本高校記録保持者、静岡浜名高・高橋和裕教諭(32)の指導を受けた。股(こ)関節を円滑に動かすための練習法を学んだ。約80センチ間隔にコーン12本を直線上に並べ、それに合わせ、左右のステップを細かく踏む。これを毎日10回繰り返した。

 目標は尊敬する地元の先輩、高平慎士(24=富士通、旭川大高出)の持つ北海道高校記録46秒81(02年)の更新だ。「絶対に上回りたい、そうすればインターハイも優勝です」。高校最終学年で念願の優勝をとりにいく。【中尾猛】