<テニス:全米オープン>◇6日目◇4日(日本時間5日)◇ニューヨーク・ナショナル・テニスセンター

 【米ニューヨーク=吉松忠弘】予選勝者で世界147位の錦織圭(20=ソニー)が、無念の途中棄権で08年以来2年ぶりの16強進出を逃した。2回戦のチリッチ戦で痛めた左足付け根痛を抱えたまま、同23位のアルベルト・モンタニェス(29=スペイン)戦に臨んだが、第1セットを2-6で落とし、第2セットの1-2となったところで棄権を申し出た。9月13日発表予定の最新世界ランクでは115以前後に上昇。5日目の女子ダブルスでクルム伊達公子、森田あゆみ組は敗れた。

 5時間に及んだ2回戦での消耗は中1日では戻らなかった。けいれんを起こした左足付け根に、まだ痛みが残っていた。この日の朝練習も、コートには立ったが、すぐにやめた。試合でも左右に振られると踏ん張りが利かず、サーブはつったままだった。第1セットは何とか戦い抜いた。第2セット開始時にトレーナーが入った。それでも何とか気持ちを奮い立たせたが、第2セットの第3ゲーム。足の動きがおかしくなり、1-2で再びトレーナーが入り、錦織はそのまま棄権の合図である握手をモンタニェスに求めた。

 4大大会の予選から5試合。張り詰めていた緊張と肉体は、右ひじの故障によるブランクからの復帰わずか4カ月では、さすがに限界だった。それでも今年の目標だったトップ100は目の前。27日のマレーシアオープンから続くアジアシリーズで、約1年ぶりのトップ100復帰に挑む。