<レスリング:世界選手権>◇10日◇モスクワ
7年ぶりの世界女王を狙った女子72キロ級の浜口京子(32=ジャパンビバレッジ)は、銅メダルに終わった。準決勝でアクフォ(カナダ)に1-2で敗れ、3位決定戦でスペインの選手に勝った。日本女子は9日までに48キロ級、55キロ級、63キロ級を制したが、五輪で実施する全4階級制覇はならなかった。
気合が空回りした。浜口の世界女王奪回の夢は準決勝でついえた。アクフォを攻めあぐね、第3ピリオドにクリンチ勝負からポイントを取られて敗れた。放心したような顔で天を仰いだ。何とか逆転勝ちした初戦から動きが硬く、波に乗りきれなかった。それでも、3位決定戦で勝ち、銅メダルを獲得。意地は見せた。
2年ぶりの世界選手権だった。08年北京五輪で2大会連続の銅メダルを獲得。同年の世界選手権で3位に入った後に休養し、独自の調整を続けてきた。「最近は技術面が安定してきた。考えていることと体の動きが一致してきた」と、さらなる成長を実感していたが、7年ぶりの金メダルには届かなかった。
8月31日に63歳の誕生日を迎えた父アニマル浜口に「金メダルをプレゼントしたい」と話していた。父は8月28日に亡くなった新日本プロレスの山本小鉄さんと戦友で、寂しそうにしていたという。今回も浜口の試合日に合わせてモスクワ入りした父を、金メダルで励ますつもりだった。
03年の優勝を最後に頂点からは遠ざかってる。モスクワは95年に世界選手権に初出場した原点の地。「あのときは世界の壁の厚さを痛感して泣いた」という。32歳になった浜口は思い出の地で王座奪回を目指したが、またしてもあと1歩及ばなかった。


