男子体操の世界王者、内村航平のバイブルが復活する。体操漫画の「ガンバ!

 Fly

 high」(小学館刊)が、史上初の世界選手権3連覇を達成した内村人気で、五輪シーズンに再び店頭に並ぶことが19日、分かった。小学館のコンビニで買える廉価版コミック「My

 First

 BIG」シリーズの一環として、新たに編集され、4月20日に、第1弾が発売される。内村が憧れた主人公、藤巻駿が、ロンドン五輪イヤーに、再び内村を世界へと後押しする。

 トカチェフ前宙のオリジナル技「フジマキ」、前人未到だった「4回宙返り」。内村も絶賛する超人、藤巻が帰ってくる。昨年10月の東京で行われた世界選手権。内村が個人総合3連覇を果たし、新たな人気に火が付いた。小学館の担当者は「内村選手の人気で、体操界が注目されている」と、内村の活躍に「ガンバ!

 Fly

 high」の復活を重ね合わせる。

 内村は、小学校時代にむさぼり読んだ。「あの漫画に影響されたのが大きい」。共通しているのは、天才的な空中感覚だ。藤巻は、他選手が技を演じている最中の視界を想像できる。内村は「中学の時に、漫画をイメージしてみた」ことで、演じている最中の景色がすべて見えるという。

 当時は、漫画の中だけだった「G難度」も、すでに存在する。世界選手権では種目別の床運動で、まるで漫画の世界が、現実になった。内村がG難度の「リ・ジョンソン」を演じ、技が速すぎて、審判がひねりの回数を間違えるという“誤審”が起きた。

 廉価版は、発売された単行本全34巻を再編集。第1弾は、「スペシャル鼎談(ていだん)」と題された、原作者でロサンゼルス五輪金メダルの森末慎二氏、作画の菊田洋之氏、女子日本代表の田中理恵の3人による座談会がつく特別版だ。藤巻はシドニー五輪で団体、個人、鉄棒の3個の金メダルを獲得した。内村は、ロンドンで、切望する団体のタイトルを含む藤巻超えの4個の金が目標。藤巻の復活とともに、体操ニッポンも内村の活躍で復活だ。

 ◆ガンバ!

 Fly

 high

 94年から00年まで週刊少年サンデーで連載された体操漫画。主人公の藤巻駿が、所属する平成学園体操部の仲間と切磋琢磨(せっさたくま)しながら、オリンピックでの金メダルを目指すストーリー。当時としては、漫画の世界だけだった「4回宙返り」や「ローチェ2分の1ひねり」、また「G難度」は、現在では現実の技や難度となっている。原作は自ら企画を持ち込んだ元五輪金メダリストの森末慎二氏。単行本は全34巻。96~97年に日本テレビ系列でアニメにもなった。