躍進を続ける日本男子テニス界に、新しい勲章が加わった。30年以上の歴史を誇る男子テニスの国別対抗戦ワールドチームカップ(WTC、デュッセルドルフ)に、世界17位の錦織圭(22=日清食品)と同75位の添田豪(27)が日本代表として出場することが17日、分かった。日本は大会推薦枠での出場となる。

 WTCは、約130カ国が参加するデ杯と違い、世界の男子トップ8カ国だけが出場できる狭き門だ。日本男子は、最新の世界ランクでトップ100に3人がいる。100位以内の選手の国は全部で37カ国。そのうち、3人以上を送り込んでいるのは日本を含め12カ国しかない。錦織というスターを抱え、躍進著しい日本に大会から白羽の矢が立った。

 今年も、デ杯最多優勝を誇る米国、前年優勝のドイツ、今年のデ杯で日本を破ったクロアチアなど、強豪国がそろった。5月27日に開幕する今季4大大会第2戦、全仏オープン(パリ)の前哨戦として、20日に始まる。日本の両選手にとっても、世界の強豪と調整できる絶好の機会だ。

 全仏直後の6月11日の世界ランクで決まるロンドン五輪出場権にも大きく影響する。錦織は出場が確実だが、ボーダーラインにいる添田にとって、日本NO・2として1勝すれば25点、全勝すれば最大175点の世界ランク・ポイントが入るのは魅力的だ。今年、デ杯では日本男子が27年ぶりに世界グループへ復帰した。WTCでも、日本男子が世界に躍進する大きなチャンスとなる。

 ◆ワールドチームカップ

 1978年に創設された男子国別対抗戦。国際テニス連盟(ITF)が主催するデ杯とは異なり、世界ツアーを運営統括するATP(男子プロテニス協会)が主催する。出場国は、前年末の世界ランクで、各国の上位2選手のランクを足し、少ない順に7カ国が選ばれる。残る1カ国は推薦枠。試合方式はシングルス2試合、ダブルス1試合で、2戦先勝で、1週間で決勝まで行う。