集大成のシーズンで前人未到の「3回転×8回」を跳ぶ。14年ソチ五輪シーズンの今季限りで引退するフィギュアスケート女子の浅田真央(22=中京大)は27日、大阪府内でのショー「ザ・アイス」に出演。新プログラムについて「ショート(プログラム=SP)もフリーも構成は昨年と同じ」と明かした。

 フリーは、成功すれば女子シングルのシニア初の快挙になる。それはジャンプの回数。昨季は2月の4大陸選手権でトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を“解禁”し、構成上は3回転以上のジャンプが8回予定されていた。通称「エイト(8)・トリプル」だ。

 昨季はその後2試合でも全て跳べたことはない。同じ3回転半ジャンパーの中野友加里も構成上は挑んだことはあるが、成功者は皆無。意気込みを聞かれると、指8本を立てながら「8回です」とニコリとした。

 この日のショーではSPに挑戦。初披露した2日前は失敗した3回転半も着氷し、「いつもより早く進んでいる。いい調子を崩さずにシーズン前半戦を迎えたい」と手応えを強調した。

 浅田自身が3回転8回に成功したのは、3連続3回転などを跳んでいたジュニア時代。時を経て、初戦のジャパンオープン(10月、埼玉)から競技者としての金字塔を打ち立てる挑戦が始まる。【阿部健吾】