全日本選手権男子シングルで3連覇を果たしたソチ五輪金メダリストの羽生結弦(20=ANA)が28日、長野県から都内に移動し、腹部の精密検査を受けた。2週間前のグランプリ(GP)ファイナル以降、腹痛に苦しんでおり、大会後のタイミングで診察を受けることになった。今日29日に出演予定だったアイスショー「メダリスト・オン・アイス」は欠場する。

 前日27日、フリー演技前の夕方には、周囲に「気持ち悪い」と訴えていたという。試合には出場したが、演技後には腹部を手で押さえる姿もあった。「体力的にしんどかった」と滑りを振り返っていた。

 発表したコメントでは、「医師よりこのタイミングで精密検査を行うことを勧められました」と説明した。関係者によれば、症状は筋肉系ではなく、「中国杯でのアクシデント後、痛み止めなどをのんでおり、胃がやられた影響もあるようだ」と話した。

 検査結果を待つが、世界選手権(来年3月、上海)まで影響する重い病状ではない見通し。優勝決定後には「壁を乗り越えたら次の壁しかなかった。でも、人間はそういう風に課題を克服したら次の課題にいくのかな」と今季前半を振り返った。また新たな「壁」が立ちはだかるが、それも乗り越えていく。