花田勝治氏の死去を受けて、おいの貴乃花親方(38=元横綱)が決意を新たにした。花田氏は父である元大関貴ノ花(故人)の実兄で、同親方は孫弟子にもあたる。花田氏が日本相撲協会を定年退職した1992年(平4)初場所では同親方が19歳5カ月で初優勝し、表彰式では天皇賜杯を渡された。2日に行われる予定の「貴乃花グループ」連合げいこは、追悼の土俵になりそうだ。

 偉大な伯父もいなくなった。貴乃花親方にとって花田氏は師匠の師匠でもあり、先輩横綱でもあった。5年前に55歳で死去した元大関貴ノ花の父に続き、飛び込んできた悲報…。悲しみとともに、相撲道発展への決意をコメントした。

 貴乃花親方

 協会にとっても惜しい方を亡くしてしまって、残念に思います。わたしにとっては雲の上の存在で、年に1度の正月のあいさつで緊張したのを思い出します。昭和の横綱というか、歴史の象徴を失った気持ちです。

 貴乃花親方が平幕貴花田として初優勝した92年初場所は、当時二子山理事長だった花田氏が定年退職を控えた最後の場所でもあった。史上最年少の19歳5カ月で勝ち取った賜杯。厳格だった花田氏に手渡され、伯父の顔を見せた理事長に「鬼の目に涙」と言われた表彰式は、感動を呼んだ。

 3横綱1大関を生み、花田一族は「華麗なる花田家」と呼ばれた。貴乃花親方の実兄であり、元横綱3代目若乃花のタレント花田勝氏(39)はこの日夜、東京・杉並区にある花田氏の自宅を訪れた。

 花田勝氏

 偉大な若乃花という名を継がせていただいた身として、本当に残念です。花田家の相撲人生は、まさに初代若乃花から始まりました。伯父がいたからこそ、父をはじめ私たちは相撲で頑張ることができました。

 2日には「貴乃花グループ」の連合げいこが、元横綱2代目若乃花が率いる間垣部屋で行われる。「弟子の育成に多大な貢献を果たし、昭和の横綱の名にふさわしい力士であったことを、おいの立場としても誇りに思います。後継者の1人として、この名を汚さぬよう遺志を後世に伝えていきたい」。追悼のけいこを前に、貴乃花親方は決意をみなぎらせていた。