八百長への関与を認めている元前頭春日錦の竹縄親方(35)の断髪式が、中止の見通しとなった。19日、後援会関係者が明かした。当初は5月1日に実施予定だったが、同親方の出身の千葉・いすみ市体育協会会長で、後援会立ち上げメンバーの米本利雄氏(78)は「他の方も延期しているので、少なくても予定通りにはできない。角界から去ることになれば、開催は取りやめになるでしょう」と、後援会の意向を説明した。

 引退相撲(断髪式)は、すでに5月28日に予定していた立川親方(元関脇土佐ノ海)、同29日に予定していた関ノ戸親方(元小結岩木山)が、八百長問題の影響で延期を発表している。竹縄親方の場合は、ファンが観戦できる引退相撲はなく、関係者による断髪式だけの予定だったため、日程は公表されていなかった。

 とはいえ八百長問題の発端は、野球賭博に関連して警察に押収された、竹縄親方らの携帯電話のメールから発覚したもの。除名や解雇など処分は確実で、角界に残る可能性は極めて低い。断髪式は延期ではなく中止となる公算が高い。

 米本氏は「1月中旬に現役引退すると本人から連絡があり、もともと後援会は解散の方向だった。最後に本人があいさつする場はつくりたかったが、すでに事実上の解散状態」と話した。今後、後援会が断髪式に向け動く予定はなく、現時点で次に集まる予定もない。幕内まで務めた力士が人知れずまげを落とす見込みとなった。八百長関与の代償はあまりにも大きかった。