期待のホープ、幕内遠藤(24=追手風)が、今後もしこ名を変更せず「遠藤」を貫くことが分かった。埼玉・草加市の部屋で7日、師匠の追手風親方(元前頭大翔山)が明言した。「(大関、三役などに)番付が上がっても、しこ名は変えないで行きます。これで変えたら、おかしくなりますから」。昇進しても、しこ名を「遠藤」で行くと明言するのは初めてだ。

 もともと遠藤は十両昇進を機に、しこ名を変える予定だった。だが、史上最速タイとなる初土俵から2場所で関取昇進を決定。師匠も、そのスピード昇進を予期できず、新しい名前を考える時間がないままに、本名で土俵に上がってきた。

 その後、瞬く間に人気が沸騰し、相撲ファンのみならず全国に「遠藤」の名が知れ渡った。以前、いくつか候補を考えたことがあると話していた師匠も「浸透していますからね」と、変える余地がないことを認めて「もし(相撲)協会から変えろと言われたら変えますが、そうでなければこのままで」と重ねて話した。

 遠藤は以前「このままでもしこ名でも、自分が遠藤であることは変わらないので、どちらでもいい」と話していた。ただ、この日は「自分も、浸透していると思いますし、変えたら『ここで矛盾が出るな』と考えることがある。改名して場所に行っても『遠藤』で応援されるような気もしますし…。そう考えると、やっぱり『遠藤』の方がいいかなと思います」と話した。

 石川の同郷、輪島は本名のまま横綱に上り詰めた。遠藤も、遠藤のままで、上り詰める決意を固めた。

 ◆本名をしこ名にした主な関取

 過去には横綱に上り詰めた輪島や、大関に昇進した出島のほか、元関脇の長谷川、蔵間、元小結の垣添らがいる。現役では遠藤のほか幕内の高安、十両の里山が本名力士。