もはやサンドバッグ状態だった。14安打で12失点。打てない、守れない。見苦しい伝統の一戦になった。

梨田 ちょっと情けないゲームだったね。打線は水ものというが、守ることはできる。しかもホームでの試合で、これだけ守備、走塁にミスを繰り返すと、勝ちも逃げる。まずはメッセンジャーが踏ん張らないといけなかった。

2回。亀井、ゲレーロの連打で無死一、二塁。7番田中俊を見逃し三振にとったが、続く小林に左越え3ランを浴びる。

梨田 メッセンジャーはバント失敗後の田中俊を見逃し三振に仕留める。巨人がなにをしたいのかわからなかったが、あそこで立ち直らなくてはいけない。小林には初球カーブを打たれたが、1回坂本を同じ球種で空振り三振させたように腕を振ったカーブにはみえなかった。しかも1球目で不用意といわれても仕方がない。

メッセンジャーの今季の投球内容については、これが4試合目のマウンドだが、そのうち3試合に先取点を献上している状況だ。

梨田 開幕投手を任されたチームの柱で、おのずと相手チームのエース級と投げ合うことになる。巨人菅野も好調ではなかったから、どちらが、いかなる点のとり方をするかはポイントだった。中盤に味方が失策を繰り返したときには、もはやメッセンジャーの集中力は途切れているようにもみえた。

昨季の阪神は甲子園で大きく負け越した(21勝39敗2分け)。今シーズンも2勝5敗で勝てない。

梨田 どのチームにもいえることだが、オーダーを含めて、まだ“形”がみえていない部分は多い。阪神も打線を組み替えながらの戦いを続けているが、この一戦に関しては、新人近本を先発で起用すべきだったのではないだろうか。

【取材・構成=寺尾博和編集委員】