阪神青柳は素晴らしい投球内容だった。特に光ったのはツーシームだ。高さが絶妙で、膝元からボール1個、2個分沈む。よし来たと思った打者にボールの上っ面をたたかせて、凡打の山を築いた。奪った4つのダブルプレーがその象徴だ。ベルト付近に来たり、少しでも上ずれば、打ちごろの半速球になるところ。低め低め、ほぼ膝元に制球できていたから好結果を生んだ。

この日が4試合目での初勝利だったが、ローテ投手の中で一番安定している。これまでの3試合も大崩れはしていない。その大きな理由に、コントロールの安定がある。四死球は昨年まで、5回ぐらいで3、4個出していたが、今年は4試合で合計8個。1試合平均2個だ。制球難で自滅していた昨年までの姿がなく、ベンチが中5日でカード頭を任せたのはうなずける。

巨人に3連敗して横浜に来たけど、初回の大山も追い込まれても食らいつこうという姿勢が出た、いい先制打だった。序盤の3点だけでは苦しくなるところで出た福留の3ランも効果的だった。今年一番といえるぐらい投打がかみ合った理想的な試合。こういうゲームを続けて逆襲に転じたい。(日刊スポーツ評論家)