週末の巨人戦に集中し過ぎた反動もあったのだろうか。阪神はいろんな意味で、痛い1敗を喫した。

3・5ゲーム離していた3位ヤクルトとの3連戦初戦。勝てば4・5差が開いて相手は意気消沈しただろうが、2・5差に迫って勢いづかせてしまった。ヤクルトも正念場だったが、これであと2つ勝てば順位も阪神の上にいける。しかも今季4戦3敗だった青柳を攻略しての18安打12得点で0封勝ち。頭を取るか取らないかが非常に大きい3連戦で、流れが2、3戦目にも影響しそうなゲームになった。

やはり心配なのは青柳だ。勝ち頭で安定投球を続けてきたが、ここ2試合連続5回5失点。この日村上に打たれた3ランなど、逆球や高めが多く、持ち味のゴロアウトが取れていない。後半2勝しているが、参加した五輪も含めた疲労が出ているのではないか。首脳陣も信頼して6連戦初戦を任せているが、青柳の復調なしに優勝は厳しくなる。5日の巨人戦で2回3失点だった秋山も気がかりだ。優勝争いは10月12日からの東京ドーム3連戦までもつれるだろうが、青柳、秋山、ガンケルの3枚が万全でないと苦しい展開になる。

阪神としてはヤクルトを脱落させて巨人との一騎打ちに持ち込みたかったが、状況は変わった。ヤクルトとはこの日が後半戦の初対戦だった。開幕3連勝など10勝3敗2分けと相性が良かった前半戦とは、相手のチーム状態が違う。コロナ禍で来日が遅れたオスナ、サンタナの両外国人が加わって村上が絶好調。活発な打線で優勝争いに食い込んできた。ナインもこの日戦って前半戦との違いを肌で感じたと思うが、簡単に勝てる相手ではなくなった。

残り2試合は何としても連勝したい。4打点を稼がれた村上がいい教訓で、いかに4番の前に走者をためないかがポイントになる。絶好調なだけに、6打席2安打4四球の結果通り、抑えるのは容易ではない。ヤクルトは苦手の青柳対策で1~4番に左を並べたが、8、9日は伊藤将、高橋の両左腕が先発で、好調の山田もスタメンに戻るだろう。いかに村上の前で打線を分断するか。先制点を与えると乗せてしまう。まずは1回表の攻防が重要になる。(日刊スポーツ評論家)

【関連記事】阪神ニュース一覧はこちら―>

阪神対ヤクルト 8回、ベンチで話し合う阪神梅野(左)と青柳(撮影・清水貴仁)
阪神対ヤクルト 8回、ベンチで話し合う阪神梅野(左)と青柳(撮影・清水貴仁)
阪神対ヤクルト ヤクルトに敗れスタンドに一礼する矢野監督(撮影・加藤哉)
阪神対ヤクルト ヤクルトに敗れスタンドに一礼する矢野監督(撮影・加藤哉)