広島にとっては、明るい材料を得た大きな1勝になった。なんといっても、打線の復調だ。上位から打線がつながり、広島らしい攻撃が見られた。安打数の割には得点を上げられなかったというのはあるかもしれないが、ヒット性の打球が正面を突いたという不運もあった。それでも各打者に粘りが見えたし、チームとして相手投手を攻略しようとする意識の高さが感じられた。一時期よりも打線の状態は良く、底を脱したといえる。

先発遠藤は状態があまり良くなかったが、佐々岡監督はスパッと替えて、継投に入った。梅雨時から夏場にかけて、先発陣の疲労もたまる。立ち上がりから球威が落ちることもあり、イニングを引っ張れない試合も増えてくる。この試合ではリリーフ陣が2失点。中継ぎの踏ん張りがさらに上を目指すうえで鍵になる。(日刊スポーツ評論家)