阪神、巨人の3連戦は3試合続けての“完封ゲーム”になった。初戦は戸郷に封じられたが、2戦目は西勇-ケラーで逃げ切り、この夜は伊藤将が抑え込んだ。

今岡 まったく危なげない113球だった。まずは先発が踏ん張ってという試合運びが、阪神の勝ちパターンなので、最後まで1人で投げ切った伊藤将は満点だった。巨人打線は1回から9回までずっとタイミングが合っていなかったので、相手に的を絞らせなかったということだろう。

新人だった昨シーズンの対巨人は、5試合(先発4、中継ぎ1)に登板して1勝3敗、防御率4・67だった。それが今季は苦手克服、2戦連続完封の成長ぶりだ。

今岡 打者目線でいうと、ツーシームとチェンジアップが邪魔になって仕方がないようにに見えた。それは左右どちらの打者にもいえることだった。ストレートを見逃し、ファウルになったりしても、結局は同じ腕の振りから繰り出される2つの球種が気になったようだ。バッターは何か1つのボールを追いかけ、それが合わないと、すべての球に対するタイミングのズレが生じることがある。打者からすると、投手に対した際にイメージする“空間”の中で緩急をつけられた。伊藤将の投球スタイルは、最後まで変わらなかった。

阪神はオールスター戦までの残り試合が中日、広島、DeNAの3カード9ゲームになった。

今岡 広島は秋山の加入もあって、チームが化学反応を起こす前触れを感じるし、DeNAも戦力を整えてきそうだ。阪神としては順位など意識する時期ではないから、ひたすら目の前の1勝にこだわりながら戦いたい。【取材・構成=寺尾博和編集委員】

阪神対巨人 完封勝利を挙げ、阪神梅野(左)とタッチを交わす伊藤将(撮影・前田充)
阪神対巨人 完封勝利を挙げ、阪神梅野(左)とタッチを交わす伊藤将(撮影・前田充)