4月24日まで首位だった広島が、7連敗で順位を下げ続けている。連敗中のチームにありがちだが、この中日戦を見ても「攻めるのか?」「守るのか?」がちぐはぐではっきりしない。連敗の原因は貧打で、7連敗中に完封負けが2試合で、あとはすべて3得点以下。貧打線が招く“連敗地獄”にどっぷりとはまり込んでしまった。
余裕がない。先発は森下で、防御率1点台のエースだった。2回に2点の援護をもらったが、楽になるどころか「この2点で勝たなければいけない」という重圧に変わっていた。3回1死から岡林に粘られて四球。3球でカウント1-2と追い込んでからの四球で、長打力のない打者への結果としては最悪といっていい。そして1死満塁となって、同点タイムリーツーベースを打たれた4番ボスラーへの攻めも最悪だった。
いきなり3ボール。そこから外角真っすぐでストライクを取ったのはいいが、サインに首を振って外角の真っすぐを続けてしまった。ボスラーも首を振った時点で、ストライクを取った外角の真っすぐを意識したはず。満塁で内角は攻めにくいし、同じ球を続けたくない捕手のサインに首を振ったのだから、ストライクが投げやすい球を選択したと思うだろう。初球にカットを投げただけで、あとはすべてストレート。とても4番打者に対する攻めではなかった。
逆転された直後の3回裏1死一塁からは盗塁を試みた羽月がアウトになった。今の広島打線を考えれば、前日の試合で4安打した3番野間と、好調の4番末包の前に走者をためること。しかも中日の先発・高橋宏はクイックが速い投手。走るなら絶対にセーフになるという根拠が必要な状況だが、タイミング的に余裕のアウトだった。
森下は5回表にも1点を失った。その裏には2死から打席が回ってきたが、そのまま打席に入った。2アウトで1点差なら分からないでもないが、今の広島打線で2点差は大きい。中日のリリーフは好調だし、少しでも早く得点するチャレンジを増やしたほうがいい。森下の調子もいまひとつで、ここは代打を送るべきだっただろう。
流れが悪いときは、普段は気にならないことでもミスとして目立ってしまうもの。このようなときは「凡事徹底」で我慢強く堪えなければいけない。出していい四球と、出してはいけない四球を明確にして攻める。積極的に走るのでも、状況を考え、ある程度の根拠は必要になる。そしてベンチは責任を持って「守り」と「攻め」にメリハリをつけること。昨年は9月に記録的な大敗を喫したが、その二の舞いにならないように、踏ん張ってもらいたい。(日刊スポーツ評論家)




