今試合で一番注目していたのは、プロ入り2度目の先発になる中日のドラフト1位ルーキー金丸夢斗のピッチングだった。5日のDeNA戦が6回5安打2失点で黒星デビューになったが、内容は素晴らしかった。このスーパールーキーに対し、巨人打線がどう立ち向かうか? スタメンオーダーを見て、少し驚いてしまった。

阿部監督はここ5試合、16打数4安打で、2本塁打をマークしていた浅野翔吾を1番で起用した。紹介するまでもないが、主砲の岡本をけがで欠き、苦しいメンバー構成になっている。まだまだ実績を残しているとはいえない浅野をトップバッターに据えたのは阿部監督の本意ではないだろう。しかし正直なところ、まだ荷が重いと言わざるを得なかった。金丸を相手に3打数無安打で、今試合は4打数無安打2三振で終わった。

今季はここまで5試合でスタメン出場していたが、打順はすべて8番だった。2試合連続ホームランをマークしているが、8番と1番では打線の“重要度”がまったく違う。後ろが投手の打席になる8番と違い、1番は後ろにいい打者が控えている。相手バッテリーの攻め方も当然、厳しくなる。

阿部監督は浅野の調子が上向きだから“チャンス”として1番に起用したのだろう。しかし、8番で調子が上向きになってきたのなら、浅野に本物の自信と結果が残るまでは打順を変えないか、せめて7番や6番でいい。リチャードも移籍デビュー戦では7番で本塁打をマーク。翌日の試合から5番に起用し、今試合は6番に起用。連敗中でチームに余裕がないから仕方ない面はある。しかし打順が変われば相手バッテリーの攻め方も変わってくる。実績のない打者が結果を残したのなら、個人的にはしばらくはリズムが変わらないように打順は変えない方がいいと思う。

試合は1点をリードされた8回裏、吉川の劇的な逆転3ランで連敗を止めた。連敗中は何をやっても裏目に出ることが多いが、こうした終盤での逆転勝ちで、チームの雰囲気はガラッと変わる可能性はある。岡本の離脱で打順の試行錯誤も続くだろうが、2番に起用された泉口は4打席で2打数1安打2四死球で1番に起用されたときと同じような結果を残している。2番と3番が当たっているだけに、そのまま浅野を1番で我慢して起用するのか、阿部監督の采配に注目したい。(日刊スポーツ評論家)

巨人浅野翔吾(2025年5月11日撮影)
巨人浅野翔吾(2025年5月11日撮影)