チームとしての「輪郭」が、ここまではっきりと分かれて見える試合は久しぶりだった。

首位を走る日本ハムと、迷走を続けるロッテ。両者の明暗は、勝敗だけではなく、プレーの1つ1つににじんでいた。

日本ハムは、この時期にロッテ、楽天といった下位チームとの対戦で勝ち星を落とさないことが、混戦を抜け出すカギになる。その意味でも、このカード勝ち越しには価値がある。特筆すべきは、その勝ち方の質だ。

初回、無死一、二塁から暴投で二、三塁へと走者を進め、万波の四球で無死満塁。ここで4番レイエスが0-1からの2球目、甘く入った直球を右翼テラス席へ運び、一挙4点を奪った。2回には1死三塁から五十幡がスクイズを決めて追加点。華やかさと堅実さを兼ね備えた攻撃だった。「やるべきことをやる」。その当たり前を徹底できているからこそ、攻守の歯車がかみ合っている。日本ハムの強さは、ここにある。

一方のロッテは、戦う姿勢そのものが見えてこない。優勝を目指しているのか、3位確保なのか、あるいは若手の育成にシフトしているのか。ベンチの空気からも、グラウンドの動きからも、その方針は読み取れなかった。

最も深刻なのは守備だろう。初回の暴投は今季24個目でリーグワースト。これは単に投手の問題ではない。キャッチャーが止めきれていない。致命的なミスが日常化しているのは危機的だ。盗塁阻止率もリーグ最下位の0・09。この試合でも2回、五十幡に初球で簡単に盗塁を許した。クイックの工夫もなく、モーションを読まれている。バッテリーの連係、キャッチング、送球、全てに課題がある。

捕手の寺地はまだ若く、経験不足は否めない。だからこそ、育てていくのが首脳陣の責任だ。今のロッテには、その「育てる空気」が感じられない。ミスが続いても誰も声をかけない。修正もない。ただ時間が流れていく。これでは、チームとして前に進めない。

その点、日本ハムは1つ1つのプレーから、「何をすべきか」が明確だった。ロッテの明確なビジョンをファンも知りたいはずだ。(日刊スポーツ評論家)

ロッテ対日本ハム 勝利しマウンドに集まる日本ハムの選手たち(撮影・鈴木正人)
ロッテ対日本ハム 勝利しマウンドに集まる日本ハムの選手たち(撮影・鈴木正人)
ロッテ対日本ハム 6回裏、戦況を見つめるロッテ吉井監督(撮影・鈴木正人)
ロッテ対日本ハム 6回裏、戦況を見つめるロッテ吉井監督(撮影・鈴木正人)