首位西武が“爆勝”だ。楽天に2点を先制されたが、5回からの3イニングで14得点。今季初の先発全員安打で今季最多タイ15安打を重ね、今季最多16得点を記録した。開幕からの本拠地連勝を球団新の11に伸ばし、貯金は今季最多の13となった。秋山翔吾外野手(30)は20組40人のひとり親家庭を招待した中で、5回に右前へ決勝打を放った。

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 今季最多3万2741人を集めたスタンドには、秋山が招いた20組40人の親子もいた。3年前に始めた、ひとり親家庭の招待。秋山は「2三振した時は、やばいなあと。(3打席目で決勝打を放ち)見てくれたかな。力になりました」と喜んだ。自身も小学生の時、父親を亡くした。「ここまで野球が出来ていることに感謝して、また頑張る力になる」という思いもあり、招待を続けている。

 人との“つながり”を大事にする。今年1月末。球団OB片平晋作さんの通夜に駆け付けた。コーチとしての指導は受けていないが、グラウンドで会うといろいろアドバイスをくれた。「僕が1軍で、ここまでやれるきっかけを与えてくれた。本当に柔和な方」と感謝する。実は目上の人と夕食の先約があったが、事情を伝え、遅れることを了解してもらった。「僕は小さい頃、身近な人を亡くした。最後のお別れは大事にしたいんです」。天国の片平さんにも届く決勝打だった。【西武担当=古川真弥】