<中日3-6阪神>◇14日◇ナゴヤドーム

阪神ルーキー木浪聖也内野手(25)が5回2死走者なしで代打として登場。自身23打席ぶりとなる安打を右前へ運ぶと、6回には3号ソロもマークした。

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ゴツゴツした手が、木浪の努力を物語っている。社会人卒の25歳ルーキー。プロ入り後、あるギャップと出会った。

「プロ野球の試合前練習って(感覚の)調整だと思っていた。でも違った。キャンプ中と同じぐらい(バットを)振るし、体はパンパン…」

開幕スタメンをつかんだが、今は主にベンチ待機で、先発組が先に打つフリー打撃の順番は一番最後。それまでの間に室内で特打に取り組んでいる。納得いくまで振り終えると、グラブを持ってグラウンドで守備練習へ。何食わぬ顔だが、いつも汗水がキラリと光る。特打に付き添う平野打撃コーチは「打ったのは本人の力。引き出し(の数)は増やせるけど、それを選ぶのは選手だから」と笑顔。「どんどん失敗していい。だから自信を持ってやってこい」と、個別練習から背中を押していた。

木浪は言う。「自分のやるべきことをやれば、結果は出る。そのために全力で一生懸命やる。準備を怠らないでやるだけ」。久々に見せたガッツポーズは、偶然ではなく必然だった。【阪神担当=真柴健】