<ロッテ3-0ソフトバンク>◇23日◇ZOZOマリン

敵地・千葉に移動する羽田空港で懐かしい人に出会った。福岡から同じ便に乗っていたらしく、空港の手荷物受取所でともに荷物を待って話した。「対馬から福岡経由で戻ったところだよ。いろいろ大変だよ」。薄桃色のジャケットを羽織って日焼けした顔に笑みを浮かべたのは「マサカリ投法」が代名詞の元ロッテの大エース、村田兆治氏だった。ライフワークにしている「離島少年野球教室」で長崎・対馬を訪れていたようで「明日は青森だよ」と苦笑いで話していた。

村田氏は王ダイエー1年目の95年に投手コーチとして入閣した。工藤、若田部ら主力とともに、若手も徹底して鍛えた。気温30度を超えるオーストラリアキャンプでは10キロ近いランニングと、ダンベルを両手に持った腹筋、背筋数百回のメニューなど嘔吐(おうと)する選手がいるほどの熱血指導ぶりだった。ロッテOBながらホークスとも縁のある村田氏との久々の出会い。この日のロッテ戦は村田氏と同じ「フォーク」が武器のソフトバンク千賀が先発するだけに好投を期待していたのだが、6四死球を与えるなど制球が定まらず無念の敗戦となった。

それにしても今季はロッテに弱い。ロッテ井口監督は「自分たちの野球をやっているだけ。特別に意識することはない」と6年ぶりのホークス戦勝ち越しにも淡々と話したが、V奪回&連続日本一を狙う工藤ホークスにとっては看過できない現実である。3回にはマーティンの好返球で牧原が本塁憤死。CSで顔を合わせる可能性もある。投打、守備も含めて井口ロッテを洗い出さないといけない。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

ロッテ対ソフトバンク ベンチで指揮を執るソフトバンク工藤監督(撮影・中島郁夫)
ロッテ対ソフトバンク ベンチで指揮を執るソフトバンク工藤監督(撮影・中島郁夫)