投げれば勝つ。阪神高橋遥人投手(28)が1軍復帰後3戦3勝と波に乗っている。逆転優勝へ、左腕の復活は頼もしい限りだ。
今年6月前半の鳴尾浜。1軍復帰を目指す中での登板を終えて話した言葉が印象に残った。シート打撃では痛打もあり、振り返っての第一声。「どうだろう。まあでもストライク入ったんで。ストライク入ったんでって(笑い)」。高橋らしい素直な言葉だった。
なかなかプロ野球選手では聞かない言葉だった。その後も現実を受け止めて「頑張んなきゃ」とも繰り返した。前を向いて、一歩ずつ前進していくことを自分に言い聞かせるようだった。
地道な練習が続く日々。「頑張れる日」と「頑張れない日」があった。うまく気持ちが入らないときは同じケガをした人が頑張っている姿を見て「頑張んなきゃ」とスイッチを入れた。
6月後半に入ると、徐々に形が見え始めた。「本当にこれでいけてるのかなという半信半疑のままだったけど試合を作れてる自分もいた。続けていけたら何かあるかなと」。支配下復帰へ手探りながらも必死にもがいた。
7月中旬には2軍戦で復帰後最長の8回を投げた。「支配下にはなりたいと思っていたけど、ファームで投げてるときに1軍で投げている姿を想像できなかった」。自信は得ていなかったが、階段を一歩ずつのぼった。
そして7月20日に念願の支配下復帰。8月11日広島戦で(京セラドーム大阪)で1009日ぶりの1軍マウンドに立ち、5回4安打無失点で1025日ぶりの白星をつかんだ。9月3日には中日を相手に7回無失点で1048日ぶりの甲子園勝利を手にした。
運もあるとはいえ、3戦3勝。「1個勝つのも勝てると思ってなかったし、支配下復帰したいというところからだったので。できすぎです」と結果には驚きつつも、「投げてるボールも『おー!』というボールが投げられてる訳ではないので」と辛口だ。
3試合で18回を1失点に抑えてなお自らに満足していない。満足いく内容に結果も伴えば、無双状態が見えてくる。今季さらに状態を上げれば、高橋も歓喜の輪に加わっているかもしれない。【林亮佑】







