今の巨人と対戦するチームは、試合終盤で3点差までなら逆転の勝機があると思っているだろう。この試合でも7回まで巨人が1点をリードしていたが、8回に逆転を許し、9回に岡本和の同点2ランで引き分けるのが精いっぱい。リリーフ陣の再編成が急務だと感じさせた。

先発の高橋が5回2/3で降板。継投に入った。野上が回またぎをして7回裏まで無失点。8回から登板した鍵谷は神里を遊飛に打ち取ったが、オースティンに四球。左打者の佐野を迎え、左腕の高梨がリリーフして三振を奪った。ここで迎えたのが、1発のある右打者ソトだった。小刻みに継投していくのだろうと思っていたが、高梨を引っ張って逆転2ランを浴びた。

試合前までソトは、右投手は2割4分1厘0本塁打だが、左投手は2割6分1厘で3本塁打。一方の高梨は左の変則サイドで左打者は2割に抑えているが、右打者には4割1分7厘。結果的に誰が投げても打たれる可能性はあるが、最善策として小刻みな継投が必要だった。

こう言っては申し訳ないが、今のリリーフ陣は明らかな力不足。誰が投げても、絶対的に信頼できるほどの実力者はいない。少なくとも抑えのデラロサが帰ってくる17日までは苦しい状況で、この日のように打線が奮起しなければ、とても乗り切れるような布陣ではない。

力不足を補うために、小刻みな継投ができないなら、投手陣の再編成が必要だろう。先発をそろえて全試合を勝ちにいくより、現在の先発陣の中からリリーフに回し、勝てる試合を落とさないような布陣に再編しないと苦しい。適材適所を見極めるのは難しいし、エース菅野の離脱は痛いが、それでもサンチェス、戸郷、畠らの中から球威のあるタイプを臨時リリーフに起用したらどうだろうか。1軍の投手コーチが3人もいるのだから、打開策を考えてほしい。(日刊スポーツ評論家)