熊本大会決勝が行われ、秀岳館が監督不在を乗り越えて、2年連続夏の頂点に立った。鍛治舎巧監督(66)が突発性不整脈のため、21日から約1週間の予定で入院中。だが監督を甲子園に連れていくナインの思いは強く、執念で9回に勝ち越し点を挙げるなど、投打一丸で九州学院との接戦を制した。病室でテレビ観戦した指揮官も「泣きました」と感激。甲子園では3季連続4強の壁を破り、念願の頂点をつかみにいく。

 準決勝と決勝で監督代行を務めた秀岳館の山口幸七部長(33)も胸をなで下ろした。公式戦は初采配で「ホッとしています。(鍛治舎監督に)みんなで何とか勝てましたと報告したい」と笑顔だ。鍛治舎監督からは準決勝後、「決勝はどんな形でも1点勝てばいい、落ち着いてやってくれ」と連絡があったという。重圧もすごかったというが、「コツコツ1点を積み重ねようと思った」と指揮官の言葉を噛みしめ、教え通りに勝機を逃さなかった。