春季高校野球青森県大会の組み合わせ抽選会が15日、県内で行われ、東北6県の日程がすべて出そろった。昨秋県準優勝の弘前東は、19日の初戦(2回戦)でむつ工と八戸高専の勝者と激突する。1年春からレギュラーの4番桜庭佑希也外野手(3年)は高校通算44本塁打を誇る。天性のフルスイングが自慢の「津軽の大砲」が、春夏秋通じて初の県制覇に導く。6県一斉に18日から開幕し、上位3校は6月7日から青森で行われる東北大会に出場する。

 フルスイング-。「津軽の大砲」の異名を持つ桜庭は自らのモットーを帽子のひさしに書き込んでいる。「東北大会は出て当たり前。自分の持ち味は長打力。試合の流れを長打で一気に変えて、チーム初の県大会優勝に導く」。対戦相手が決まり、ほとばしる興奮を抑えきれなかった。

 県内有数の長打力が自慢だ。1年春から外野の定位置をつかみ、昨秋時点で通算本塁打は38本にまで到達した。バットコントロールにもたけており、広角打法で安打を量産。50メートル6秒0の快足も光る。冬には連続ティーなど1日500スイングをノルマに掲げ、肉体改造にも取り組んだ。ベンチプレスは80キロから100キロまで上がり、3月の対外試合解禁から6本加算して現在44発。「春になってびっくりした。センターフライが頭を越える。打球の伸びが全然違う。50本は狙える」と自らの成長ぶりに驚きつつも、自信を見せた。

 この冬に自らを追い込んだのは、2つの理由があった。昨秋の県準決勝で八戸学院光星を初撃破したが、県2位で乗り込んだ東北大会は初戦敗退。のちに21世紀枠でセンバツに出場する由利工(秋田)から9回に3点奪われて逆転負けした。「1安打に抑えられた。長打も打てず敗因は自分」。責任を痛感したからこそ、努力した。もう1つは自分の夢だ。「できることなら上(プロ)の世界で勝負したい」。初の甲子園に導けば「津軽の大砲」の異名にも箔(はく)が付く。チームのためにも自分のためにも、打って、打って、打ちまくる。【高橋洋平】

 ◆桜庭佑希也(さくらば・ゆきや)2000年(平12)4月15日、青森・黒石市生まれ。黒石東小3年から野球を始め、黒石中では軟式野球部に所属。弘前東では1年春からレギュラー。176センチ、80キロ。右投げ左打ち。家族は両親と姉。