第100回全国高校野球選手権大会(8月5日から17日間・甲子園)の地方大会が23日、全国のトップを切って南北の北海道と沖縄で開幕した。沖縄の八重山商工-南部工は延長12回でも決着がつかず、夏の大会初のタイブレークとなった。

 沖縄大会の2回戦、八重山商工-南部工戦は、夏の大会で今回から導入されたタイブレーク制で初めて決着がつく試合となった。南部工が延長13回に5-4でサヨナラ勝ちした。

 南部工は4-2の9回、2死から追いつかれて延長戦に。タイブレーク制に入った延長13回、1死満塁で4番の上原大雅投手(3年)が中犠飛を放った。先発投手として9回に乱れて試合を長引かせただけに「自分で決めたかった」。夏の選手権史上初のタイブレーク勝者となり、「難しい状況で勝ち切ったのは、今後の財産になる」と声に力がこもった。

 打たれた八重山商工の2番手、亀田楓真投手(ふうま)(2年)は8回から救援していた。最後を振り返り、「初めから走者がいて余裕がなかった。焦ったのかもしれない」と目を伏せた。(朝日新聞)

 ◆タイブレーク 試合の早期決着を目指し、延長戦で人為的に走者を置く特別ルール。高校野球では春秋の地方大会などで導入され、甲子園では今年のセンバツで初めて導入(実施なし)。延長13回以降の攻撃を無死一、二塁から始める(打順は12回から継続)。今夏から地方大会、甲子園の両方で導入。決勝は地方大会、甲子園ともに行わず、延長15回終了で同点の場合は引き分け再試合となる。