学校創立4年目のふたば未来学園は5-0であさか開成を下し、チームベストの夏2勝を挙げた。今春、投手に転向した右横手投げエース小野京斗(けいと・3年)が1安打完封。内野安打1本に抑えて勝利に貢献した。青森では11試合が行われた。

 ふたば未来学園が、詩人の谷川俊太郎氏が作詞した今夏2度目の校歌を球場に響かせた。昨年に続く3回戦進出。夏2勝のチームベストを1安打完封で飾った小野は「3回戦という去年の記録に並んだので次も勝てるように準備したい」と浮かれることなく話した。

 中2日の連投の疲れは感じさせなかった。初戦(8日)の石川戦は4回1/3で3安打2失点。3死球を含む計5四死球を献上して国分渉投手(2年)の救援を求めたが、この日は違った。荒峰雄監督(55)の「怖がらずに投げろ」の指示通り、変化球が主体の内角を突く攻めの投球を披露。「スライダーが良かった。コースに厳しく投げられた」と8奪三振もマークした。

 1年秋にベンチ入り。レギュラー入りした昨秋までは内野手だった。今季から投手に転向。右肩を痛めた国分に代わって春の地区大会からエース番号を背負う。投げ方も急きょ、上手投げから横手投げに変更。「遊び感覚で投げていたのですんなりと入れました。(球の)変化が強くなってヒットの数も減った」と手ごたえを感じている。

 夏2勝で、文字通りに「双葉」が芽吹いた。3回戦では荒監督の双子の長男聖一郎さん(26)が部長を務める、いわき海星と対戦する。荒監督は「その部分の対策も考えないと」と冗談を交えながら「自分たちの力を出し切ってほしい」と期待する。今夏チーム目標は8強進出。芽吹いた双葉が一気に大輪の花を咲かせる。【佐々木雄高】