盛岡大付(岩手1位)と八戸学院光星(青森1位)が決勝進出を決め、来春のセンバツ出場を確実にした。盛岡大付は公立の古川(宮城2位)を10-0の6回コールドで圧倒し、2年ぶりの決勝進出。八戸学院光星は花巻東(岩手2位)を7-3で振り切り、3年ぶりの決勝を決めた。明治神宮大会(11月9日開幕)出場が懸かる今日18日の決勝は、東北福祉大OB監督同士の決戦となり、盛岡大付が勝てば初、八戸学院光星が勝てば5度目の優勝となる。

八戸学院光星の「大当たり男」太山皓仁(ひろと)捕手(2年)のバットが、強力打線に火をつけた。3回表の先頭で、甘く入った直球をフルスイングして右越えソロ本塁打。打者一巡の猛攻で一挙5得点。自身の2安打を含む12安打で2季連続の甲子園を確実にし、「1発打って勢いをつけたい場面だったので狙っていた。気持ち良かった」と笑顔があふれた。

県大会では、不幸な大当たりを食らった。9月16日の2回戦の守備中に、ファウルボールが股間を直撃。保護するカップが割れるほどの衝撃だった。翌17日の準々決勝は痛みをこらえてフル出場。だが「歩くことはもちろん、学校に帰ってイスに座ることすら痛くて出来なかった…」と訴えて病院へ。診察を受けると医師から緊急手術を告げられ、約1週間の入院。今大会3日前に完全合流したばかりでの、値千金の活躍だった。

守備でも後藤丈海投手(2年)をもり立てた。9回裏2死から連打を浴びたエースのもとに駆け寄り、往復ビンタを大当たりさせた。「あと1アウトだと思って気が抜けていたので、気合を入れ直しました」。サインミスを犯したエース右腕の気の緩みを正し、最後の打者を右飛に打ち取ると、歓喜のタッチを背中に浴びせた。

今夏の甲子園ではネクストバッターズサークルで試合終了。1度も打席に立てなかった悔しさは、来春のセンバツで晴らすつもりだ。「あと1つ勝って優勝したい」。5年ぶりの優勝をつかみ、全国舞台での大当たりにつなげる。【鎌田直秀】