豪快さに粘りを加え、秋の雪辱を果たす。第91回選抜高校野球大会(3月23日開幕、甲子園)の選考委員会が25日、大阪市内で行われ、北海道からは昨秋の北海道大会を制した札幌大谷が初出場、同準優勝の札幌第一が神宮大会枠での出場を決めた。北海道勢の2チーム出場は、北照と21世紀枠の遠軽が出場した13年以来6年ぶり。2年ぶり3度目出場の札幌第一は、全道大会1試合平均13安打の猛打に、精神的強さをつけ、春1勝をつかみにいく。
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ほとばしる熱気が、冷え固まった雪を一気に溶かした。札幌第一の玄関前には約30センチの積雪。センバツ決定を喜び選手全員で飛び込むと、雪煙が舞い上がった。主将の大平裕人(2年)は「一度はあきらめかけた、あこがれの甲子園に立てる。しっかり練習を積み重ねて、北海道代表として恥ずかしくない試合をしたい」と意気込んだ。
札幌大谷が明治神宮大会を制したことで巡ってきた出場権。大平は「札幌大谷が神宮で勝ち上がる度に、最初は悔しさが募った」という。だが身近な存在が全国を制したことで、頂点までの距離も現実的になった。「優勝してくれたおかげで、僕らはこの冬、大きな可能性を信じて練習に取り組めた。この気持ちを大事にしたい」と意気込む。
夏は09年に1勝を挙げるも、春は過去2度(16、17年)とも初戦敗退。菊池雄人監督(46)は「選手には思い切ったプレーをしてもらい、結果にもこだわりたい」と“三度目の正直”を誓った。そのための課題も明確になっている。同監督は「まずは課題の投手陣をしっかりさせること。1月までは、通常通りの調整だが、2月からは実戦形式を増やし、3月の大会に向け逆算してチームを整えたい」とプランを口にした。
武器は全道大会4試合すべて2ケタ安打と爆発した強打。聖地で結果につなげるための意識付けを、徹底する。札幌大谷に敗れた決勝は、試合終盤の8回に一挙5点を奪われ逆転負けした。大平は振り返る。「(失点直前の攻撃で)僕らは8球3人で攻撃が終わってしまった。自分たちの弱さが出た」。簡単に三者凡退に倒れたことが、相手にリズムを渡すきっかけだった。「苦い思いを二度としないよう、この冬、全員で言い合ってきた」と大平。味わった屈辱をバネに、勝負どころでこそ集中力を増し、勝ちきれるチームへと進化を図る。ライバルがもたらしてくれた大舞台。その相手より1つでも多く勝ち上がることが、恩返しになる。【永野高輔】
◆札幌第一 1958年(昭33)創立。男女共学の私立校で、生徒数1292人(女子613人)。創立と同時に創部された野球部は甲子園に夏3度、春2度出場。バドミントン、スキー部なども全国常連。主な卒業生にリオデジャネイロ五輪で日本選手団旗手を務めた陸上男子10種競技代表の右代啓祐らがいる。所在地は札幌市豊平区月寒西1の9の10の15。浜館宏樹校長。

