苫小牧工が釧路湖陵に6回コールド勝ちし、全道制覇した96年春以来23年ぶり、3季通じて69季ぶりの4強進出を決めた。

同点の2回2死満塁で主将の4番三上謙人(3年)が左越えに決勝の満塁本塁打。9点差をつけた6回2死一、二塁で、再び三上謙が左前適時打を放ち、コールド勝ちを決めた。96年春全道制覇以降、低迷を続けていた古豪が、令和元年の復活優勝へ、あと2勝とした。4強が出そろい、31日の休養日をはさみ6月1日、準決勝2試合を行う。

三上謙主将のふた振りが試合を決めた。同点の2回に決勝満弾、6回2死一、二塁ではコールド決定打と、流れをつくるところから、試合を締めるまでやり遂げた。計2安打6打点。初戦の函館大有斗戦は5打数無安打に終わっており「昨日の練習で納得するまでバットを振ってきた。全校応援にこたえられて良かった」と喜んだ。

23年の眠りから覚めるときがやってきた。92年夏の南北海道大会4強時の主将、平山良行監督(44)は「こうやって円山で戦い続けられる。本当に感慨深い」と振り返った。全道出場効果で、大会中の札幌での宿泊費をOBたちが支援。27日の初戦突破後には、同監督の携帯電話に100件を超す、OBらの祝福メールが届いた。「いろんな支えがあってここまできた。挑戦者の気持ちで、この先も戦いたい」と前を向いた。

96年春の全道制覇後、同年夏の地区2回戦で、香田誉士史監督(48=現西部ガス監督)就任直後の駒大苫小牧に2-3と敗れた。当時の室蘭地区は、苫小牧工が実績で上回っており、衝撃的敗戦だった。90年南大会8強の三上謙の父裕志さん(46)は「OBの間で、語られることが多い試合」と言う。この夏「香田駒苫」が南大会8強と躍進。さらに、甲子園に4度導いたOBの金子満夫元監督(80)が定年退職した直後の99年夏の地区2回戦では、0-10と大敗した。駒大苫小牧は同年南大会4強、01年夏に甲子園出場、04年全国制覇と、差が開いていった。

今春の主力となる3年生は、平山監督が16年秋に就任後、復活をかけOBらに声をかけ、翌17年春に進学してきた世代だ。「まだまだですが、こんなに早く結果が出てくるとは」。金子元監督も時折練習に顔を出し、教え子の平山監督にアドバイスをおくる。古豪復活を待ち続けるすべてのOBの思いが、令和の進撃を後押しする。【永野高輔】