履正社が初の春夏連続甲子園出場に王手をかけた。投打がかみ合い、昨夏の南大阪代表・近大付を7-2で破り、3年ぶりの決勝に進出した。

エースが流れを引き寄せた。1点ビハインドの2回2死一、三塁。岡田龍生監督(58)は「流れを変えたかった」と清水大成投手(3年)を投入。内野ゴロで打ち取り無失点で切り抜けると、5回1死一、三塁では好フィールディングでスクイズをさばき、本塁でアウトに。清水は「なんとか流れを持ってこれるように。点をやらない投球ができた」。その裏に打線が3点を勝ち越し、試合の主導権を握った。

昨夏の北大阪大会準決勝、大阪桐蔭に9回2死から追いつかれ逆転負け。9回途中から救援した清水は1死も取れず降板した。いつもはひょうひょうとしている左腕も「あの試合を通して1球の怖さを全員が分かっている。1球にこだわってやるようになりました」と顔をゆがめ、振り返る。この日は7回1/3を140球と力投。決勝に登板となれば中0日。岡田監督は「コーチたちと相談します」としたが、清水は「甲子園に行くためになんとしても頑張りたい」と出番を待つ。

打線も主砲・井上広大外野手(3年)が高校通算45号を放つなど16安打。決勝は金光大阪戦で岡田監督も「勢いがある」と警戒する中、歴史を塗り替える夏にする。【望月千草】