履正社は前日28日の準決勝で140球のロングリリーフをしたエース清水大成(3年)が先発。金光大阪も準決勝で完投した辻本湧斗投手(3年)が先発し、両チームとも投手が連投で挑んだ。

初回、金光大阪が敵失で先制も、4回に履正社が反撃。1死から4番・井上広大外野手(3年)が捉えた当たりは大きな弧を描いて左翼スタンドへ着弾。岡田龍生監督(58)も「あの1本がすごく大きかった」とうなずく3戦連続となる高校通算46号弾で同点とした。主砲の1発で勢いづいた打線は、5番内倉一冴内野手(3年)も右前打で続き、1死一塁とすると、エースの女房役6番野口海音(みのん)捕手(3年)も左翼へ勝ち越しの2ランをたたき込み、この回3得点で逆転。

金光大阪は5回裏2死二塁から3番佐々木慶矢内野手(3年)の中前適時打で1点差に迫った。

履正社は6回1死二塁で清水から5回戦でノーヒットノーランを達成した2年生右腕岩崎峻典投手にスイッチ。無失点で切り抜けると、7回2死からは小深田大地内野手(3年)が右中間ソロ、9回にも小深田が2点適時二塁打を放ち、2年生も試合をもり立てた。

9回二死三塁のピンチを作ったが、リードを守りきりゲームセット。

試合後、主将の野口は目を赤くにじんませた。「春夏連覇が目標でした。達成できて良かったです。大阪代表として恥じないように甲子園で優勝したいです」。センバツでは星稜(石川)に3安打完封負け。苦い思いを残した聖地に、リベンジする。

履正社はこれまでセンバツに出場した年は夏の大阪大会を制覇できないというジンクスがあったが、初の春夏連続出場を決めた。夏は3年ぶり4度目だ。