開会式が行われ、東北勢6校が夢舞台で堂々の行進を行った。7日の第4試合で立命館宇治(京都)と対戦する秋田中央は、春の県大会から正捕手の座に就いた1年生の野呂田漸(ぜん)が、45年ぶり出場となる伝統校のキーマンになる。

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あどけない表情の15歳は、ひとたびマスクをかぶると頼もしいまでのオーラを放つ。秋田中央の1年生野呂田は、春の県大会でいきなり正捕手に抜てきされた。

佐藤幸彦監督(45)は起用理由について、「抽象的ですが、『キャッチャー』なんですよね。しぐさであったり、雰囲気であったりが。1年生なのに全く物おじしません」と話した。

秋田大会準決勝では満塁弾。決勝ではとっさの判断でスクイズを外せば、打では先制打と攻守で勝利に貢献した。投手でもある熊谷郁哉主将(3年)は「普段は普通の1年生なんですけど、野球になると別人になる」。当初は起用に驚いたというエース松平涼平(3年)は「堂々としているし、送球もブレずにドンピシャ。監督が代えるからには、いいことがあるんだと思った」と上級生たちも納得するしかなかった。

成長のスピードは周囲の想像を超える。佐藤監督は「予想以上の頑張り。まだまだ余地がある」と底知れぬ伸びしろを感じる。後藤弘康部長(50)は「起用からチームがいい方向に回り始めた」。打撃が魅力だった前正捕手の斉藤椋平(3年)は、外野に転向してチームトップの打率5割6分3厘と大当たりするなど、効果をもたらした。

将来の夢はプロ野球選手。「高校からは簡単ではないので、大学から行けるよう勉強もできる秋田中央を選んだ」。甲子園デビューを前に「やっぱり初戦は緊張すると思う。でも怖いもの知らずの1年生らしく、楽しみながら堂々とプレーしたい」と初々しい笑顔を見せた。【野上伸悟】