出塁率8割男が甲子園を引き寄せる。第72回秋季北海道高校野球が6日、札幌円山で開幕する。5日は会場となる札幌円山、麻生両球場で公式練習が行われた。

函館工の金田峻一塁手(2年)は、今秋の函館地区予選でデビューし、3試合で14打席12出塁、出塁率8割5分7厘と驚異的な数字でチャンスメーク。6年連続26度目の秋全道大会へと導いた。7日の札幌日大戦に向け「全道はさらにレベルの高い相手が来る。謙虚に後ろにつなぐ姿勢を貫いて、勝利に貢献できたら」と意気込んだ。

夏まで背番号12の控え捕手だった。新チーム移行後、1年生捕手の田代裕己が成長し「このままでは試合に出られない」と一塁手に転向。函館地区は背番号13をつけ出場し、初戦は「長打力はないので、とにかく内野の間をゴロで抜くことだけを意識した」と、いきなり3安打3打点と結果を出した。2戦目の函館大谷戦は「当たっていても、欲張らずに塁に出ることに徹した」と4四死球に1安打。初戦から8打席連続出塁、計3得点に絡む活躍で逆転勝利を呼び込んだ。

アウトになった2打席のうち1回は送りバントで、凡退は代表決定戦2打席目の二ゴロのみ。「函館工の野球は打つときは打つ、見るときは見る。状況によって常に最善の選択をすることで1点ずつ奪う。そうやって1つ1つ勝っていけたら」。打率も8割3分3厘(6打数5安打)と好調で、全道大会から初の1ケタ背番号3を勝ち取った。堅実な6番打者の働きを生かし、古豪函館工が63年夏以来、57年ぶり6度目の聖地を目指す。【永野高輔】