第102回全国高校野球選手権(甲子園)中止に伴う県独自の代替大会が、東北各県で熱戦を繰り広げている。注目校や選手を紹介する「白球にかける夏2020」の第5回は、14日に開幕する青森編です。

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八戸の秀才191センチ右腕・宮木亮輔(3年)が、強豪撃破の方程式を解いた。代替大会初戦は15日、夏に2年連続準優勝の弘前学院聖愛と対戦。「この冬は力みすぎない投球フォームを研究し、改善した。フォークで角度、カーブやチェンジアップで緩急。少ない球数でテンポ良く投げられれば計算が立つので、強豪私立にも少しは通用できるかな」。長い手足を生かした投球術で、本番での100点満点に挑む。

野球継続を迷っていた中3時に八戸の学校見学会に参加し、同校野球部グラウンドの大きさに一目ぼれして猛勉強を開始した。学力アップのために新しい塾を両親に志願。身長と同じく、学力も一気に伸びた。「家に帰ってしまうと疲れて寝てしまうので、学校帰りに勉強しています」。練習後は八戸市内の塾やカフェに直行し、約3時間の自己学習を継続した。今では模試の数学成績が文系1位。「大学では数学の知識も生かしながら、貿易なども勉強したい。貿易港のある横浜で学べたらうれしい。将来は国の経済を動かしたい」と横浜国大などが第1志望だ。

仲間には、医学部志望が2人、文部科学省で教育に携わる夢を抱いて東大志望の松原興大外野手(3年)ら多種多様。野球も受験も勝利を追い求める。【鎌田直秀】