第102回全国高校野球選手権(甲子園)中止に伴う県独自の代替大会が、東北各県で熱戦を繰り広げている。注目校や選手を紹介する「白球にかける夏2020」の第5回は、14日に開幕する青森編です。

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青森は最速143キロ右腕・畳指(たたみさし)善宣と同134キロ左腕・成田豊(ともに3年)のダブルエースで勝ち上がる。弘前中央との15日初戦に合わせて状態を仕上げてきた。

同校は旧青森中時代を含め、過去4度の夏制覇を果たした古豪。14年夏は決勝に駒を進めるも、八戸学院光星にあと1歩で敗れた。当時小学6年生だった畳指は会場で試合を観戦し、「頭も良くて、公立校で私学に良い勝負ができるところに引かれた」と、中3の部活動引退後は平日3時間、休日は約10時間の猛勉強で合格をつかんだ。高校3年間の集大成となる代替大会に向け、「今まで通り、甲子園を目指す気持ちで練習に励んできた。1日1秒その時を大切に頑張っていきたい」と意気込んだ。

昨秋の県大会で背番号1を背負った成田は「(畳指には)身体能力や球速などでは勝てない。自分はけん制が武器。気持ちの部分やフィールディングなどの細かい技術で勝負したい」と総合力で勝負する。昨年まで八戸北を指揮し、今春から母校に転任した成田統(はじめ)監督(39)は「(2人は)去年から見ていて県内トップクラスの投手。彼らが今年のチームの軸です」と信頼する。「文武両道」で頂点を志す両輪で、60年ぶりの夏制覇をつかむ。【相沢孔志】