花巻東がベンチ入り20人中、投手3人を除く17人出場で5回コールド勝ちした。

4回表2死満塁から代打で公式戦初出場の小野寺涼内野手(3年)が右前2点適時打を放ち、チーム13得点。今年4月には父弘さん(享年53)急死の悲しみも乗り越えて臨む夏。「父は中学の時には野球の練習を一緒にしてくれた。花巻東のユニホーム姿を見せてあげられなかったけれど、どこかで見守ってくれていたと思う。父のためにも何とかヒットを打ちたかった」。打席直前には佐々木洋監督(44)から「満塁のチャンスはお父さんが与えてくれたものだから思い切り振ってこい」と送り出された期待にも応えた。

同監督も「甲子園のためではなくなってしまったけれど、選手を入れ替えて出場機会を与えながらも優勝する大会にしたい。小野寺涼のヒットは一番盛り上がって感動した。涙が出てきた」。結束力の手応えも得た1勝だった。【鎌田直秀】