4年連続準々決勝で涙をのんでいた弘前東が、“5度目の正直”で8年ぶり2度目の4強に進出した。弘前工との「弘前ダービー」で劇的な逆転サヨナラ突破。木村年貴外野手(3年)が値千金の一打を放ち、守備でも遠投100メートルの強肩で三塁走者をホームで刺すビッグプレーを披露し、チームの窮地を救った。

善行を積んできた木村が試合を決めた。9回裏1死二、三塁から二ゴロで1-1の同点に追いつき、連続四死球でなお2死満塁。高めの直球を振り抜いて高々と上がった打球は、風に流され左翼線ギリギリに落ちる幸運なポテン打。サヨナラの走者を迎え入れた。「日頃の行いが結果につながったのかもしれません。何とか勝てて良かったです」。大会前、下校途中にポイ捨てされていたゴミを片付けるなど、運気を上げてきた効果に笑った。

4回2死二塁の守備では、中前に弾んだ打球を素早く処理。レーザービーム送球が捕手のミットに収まり、先制点を阻止した。「自分のところに飛んで来いと思っていました。イメージ通りのプレー」と胸を張った。26日の準決勝は夏3連覇を狙う八戸学院光星戦。「持っている男」が下克上を起こす。【佐藤究】

▽弘前工・岩崎人和投手(3年=先発し3回1安打無失点) 平常心を保ちながら自分の投球ができました。制球が安定して、緩急を武器に勝負しました。