土浦日大が11安打に7盗塁を絡め12得点。機動力野球で初戦突破した。

1回表、先発の村上陽駿投手(3年)が打ち込まれ2失点。その裏1死三塁から、主将の五十嵐明斗内野手(3年)の三塁ゴロ野選で1点。続く菅野樹紀捕手(2年)滑川翔吾投手(3年)の連打で計3点をかえし逆転に成功。その後は試合の主導権を握り、5回コールドで快勝した。

小菅勲監督(53)は「五十嵐がセンターから右方向を意識して、つなぐ打撃を見せてくれた。それを見て、他の選手たちも、皆つなぐ意識で打ってくれた」と選手たちをたたえた。

4番に座る菅野は「五十嵐さんがいい見本になってくれた」とセンター方向への意識を徹底し、3打数3安打2打点。「次の試合のためにも、攻撃の手は緩めませんでした」と、出塁すると果敢に次の塁を狙い、3盗塁とチャンスを広げた。

努力でつかんだ4番だ。波崎三中では、茨城県選抜の主将として出場した「全国中学生都道府県対抗野球大会in伊豆」で準優勝した。しかし土浦日大入学後は、硬式になじめず苦戦。全体練習が終わると自主練習で1000球の打ち込み。時には深夜1時を回ったこともある。「何で自分が…と、やめようと思った」と振り返る。しかし当時の3年生の「次はお前だ。頑張れよ」という励ましの声に、歯を食いしばり前を向いた。

「絶対に負けない。『オレが一番だ』と強い気持ちを持てるようになりました」と自信をつけた。昨秋は5番、そして今夏は4番に座る。「今年は甲子園がありませんが、県の優勝はある。絶対に取りにいきます」。頼もしい2年生の主砲が、チームを県頂点に導く。