起死回生の同点打を放ったのは「キヨミヤ」ならぬ「セイミヤ」だった。

2-3の1点ビハンドで迎えた水城8回表の攻撃。安打と四球で無死一、二塁としながら、バント失敗などもあって2死一、二塁となった。ここで登場が代打の清宮蓮(せいみや・れん)外野手(3年)だった。

カウント3-1からのカーブ。振り抜いた清宮の打球は、右前に転がる同点打。この一打で勢いを吹き返した打線は9回に3点を勝ち越し、勝負を決めた。

「ちょっと当てにいったけど、バットが振れていたのでヒットになってくれた」と、清宮はこともなげに言った。名字の読み方こそ違うが、「キヨミヤ」の清宮幸太郎(早実-日本ハム)とはよく比較されるとか。「場内アナウンスでも、よく間違われます。嫌ですけど、仕方ないですよね」と照れ笑いを浮かべた。

関根茂彦監督(41)は「レギュラーを取る力はあるが、昨年の秋から(公式戦)代打成功率10割なんです。不思議な力を持っているので代打の切り札で使っている。本人は“キヨミヤ”のつもりで打ってるんじゃないですか」と頼もしげ。

23日の波崎柳川戦でも代打で安打を放ち、夏の大会は2打数2安打と当たっている。「どんな場面でもいい意味で緊張はしますが、プレッシャーじゃない。『監督、オレに任せて!』という気で打ってます」と言う。そう、オレの名前は「セイミヤ、だ!」。