冷静沈着なエースが、安定感のあるピッチングで勝利をつかんだ。館林の今井航汰投手(3年)が9回を1失点被安打5の完投勝利を収めた。7回には、無死から連打を浴び犠打で1死二、三塁のピンチを迎えるも、「最少失点はしょうがない」と割り切り、遊ゴロでの1失点に抑えた。

雨の影響で約2時間遅れで開始。今井は「あまりよくなかった。雨の影響なのか、マウンドの傾斜がなだらかでストレートの球威がなかった。40点くらい」と振り返った。それでも、いつもと違う環境にも落ち着きは失わなかった。バッテリーを組む小林悠来主将(3年)が「タイムも間を取るだけだった。特に声掛けしなくても今日は落ち着いてやれているので大丈夫だと思った」と話すほど。今井は小中とチームの中心選手。「自分が崩れるわけにはいかなかったので周りに動揺を見せないようにしていたらそれが染み付いた」とそのわけを説明する。

次戦に向けて「相手のレベルも上がってくる。守りの姿勢にならずに、攻めの姿勢でどんどん向かっていきたい」と意気込んだ。静かなエースが少しだけ闘志を見せた。