3-0で迎えた5回裏、打者一巡の猛攻で一挙7得点。そのままコールド勝ちした大森学園だったが、光ったのは先発右腕、工藤翔午(しょうま)投手(3年)の好投だった。

自己最速138キロの真っすぐにカーブ、スライダー、チェンジアップをうまく配し、5回を投げ毎回の9奪三振。1回の3アウト目から3回の1死までは5者連続三振を奪った。それでも工藤は「ボールが高めに浮いたし、100点というわけにいきません」と口元を引き締めた。

昨夏の悔しさを忘れるわけにいかない。背番号10ながら東東京大会の初戦、3戦目とマウンドを託され、結果を残していた。そして迎えた5回戦の修徳戦。9回2死まで1点をリードしながら、そこからまさかの4連打を浴び、逆転サヨナラ負けを喫した。「あと1人というところで甘くなってしまった」と言う。

この夏に雪辱を期す。「甲子園はなくなったけど、目標は東京で1番になること」と言い切った。