昨秋の東北準Vで甲子園交流試合にも出場する鶴岡東(山形)が、4-1で初戦を突破した。青森山田ドラフト候補の最速150キロ右腕・小牟田龍宝(3年)から2本塁打を放つなど、強力打線が力を発揮。10日の準決勝では聖光学院(福島)と対戦する。

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初開催となる「夏の東北大会」で、鶴岡東が東北勢一番星となった。プロ注目の小牟田を攻略。昨秋の東北大会・準々決勝に続いて青森山田に快勝した。

6回表1死二塁、4番鈴木喬主将(3年)の左前打で先制。続く7回表2死二塁では1番山路将太郎内野手(3年)が公式戦初となる右越え2ランを放ち、9回表1死から代打・吉田陸人外野手(3年)の右越えソロで勝負を決めた。ともに初球を狙い打ち。打席に入る前、「迷わずに振れ」の佐藤俊監督(49)の言葉を伝え聞いた山路は「(監督の)言葉通りに思い切り振り抜けてよかった」と記念すべき大会1号に笑顔を見せた。佐藤監督は「2年春から経験がある山路は最近、中途半端な打撃が多かったので背中を押せばと思っていたが、よくやってくれた。吉田も期待に応えてくれた。びっくりした」と2本塁打に驚きを隠さなかった。

投げては太田陽都(3年)が9安打1失点完投でエース対決を制した。昨秋の東北大会決勝の仙台育英戦は、背番号10で7回から3番手で救援し、逆転負けの悔しさを味わった。「真っすぐを力強く投げることだけを考えて序盤から思い切りいけた。(終盤は)点差があったので楽になった」と打線に感謝した。

コロナ禍への学校方針で、チームは日帰り遠征を続けている。この日も鶴岡市の母校と往復約6時間のバス移動。太田は「(決勝まで)3日間通うつもりです」と宣言した。春のセンバツ大会の代替になる16日の甲子園交流大会では日本航空石川(石川)と対戦する。山路は「東北大会をしっかり勝って交流大会に行きたい」と昨秋、準優勝に終わった東北制覇を目標に掲げた。【佐々木雄高】