来春センバツの出場校を決める重要な参考資料となる秋季近畿大会の3試合が24日、わかさスタジアム京都で行われた。大阪桐蔭は長田(兵庫)相手に7回8-0コールドゲームで、豊富な5投手を披露して手堅く白星発進。天理(奈良)は2度の全国制覇を導き、9日に75歳で亡くなった橋本武徳総監督にささげる初戦突破を決めた。準々決勝は智弁学園(奈良)が龍谷大平安(京都)を破り、近畿一番乗りで2年ぶりセンバツ出場に当確ランプをともした。

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5人の“主役”が代わる代わるマウンドに現れた。長身左腕、快速右腕に、世界一経験者。大阪桐蔭には多士済々の顔ぶれが今年も備わる。兵庫公立の雄、長田との初戦。7回コールド勝ちながら、ベンチ入り6投手中、5投手を登板させる“カメレオンリレー”で豊富な投手力を披露した。

先陣を切ったのは、身長185センチの北海道・旭川市出身左腕、松浦慶斗(2年)だ。8月の甲子園交流試合の東海大相模(神奈川)戦で2回を完全投球し、新チームから背番号1。「まっすぐで強く押せたのが良かった」。長身を生かして投げ下ろすスタイルで28球オール直球勝負。初回に内野安打2本で2死一、三塁とされたが、その後は力で押して圧倒。2回2安打無失点でお役御免となった。

3回からの2イニングは変化球が武器の右腕・竹中勇登(2年)が1安打2奪三振でつなぎ、5回は最速154キロ右腕・関戸康介(2年)だ。来秋ドラフト候補の快速派も1回を無安打1四球と寄せつけなかった。

6回は世界一を知る左腕・川井泰志(1年)だ。自己評価は「満足していない」と辛口ながらも、185センチの角度を生かして1回をピシャリ。桐生ボーイズ(群馬)時代にはU15日本代表に選出され、19年世界少年野球大会で頂点に輝いたルーキーも爪痕を残した。大トリは西谷浩一監督(51)が「シート打撃で実戦経験を積んでいる」と成長を認める右の本格派・西川音羽(2年)が1回0封締め。指揮官は「みんな特徴を出してくれた。『1イニングずつのつもりで』と。たくさん投げられてよかった」と満足の笑顔だ。

2年連続のセンバツ切符に王手をかけ、25日は天理との準々決勝に臨む。昨秋の近畿大会決勝で敗れた相手に、強力布陣でリベンジにかかる。【望月千草】

▽長田・永井監督「勝つなら2-1、3-1だった。初回の失点がすべてって感じでしたね」