最速147キロ右腕で今秋ドラフト候補の智弁和歌山・中西聖輝投手(3年)が小気味よい投球で神港学園(兵庫)打線を封じた。中盤にかけてテンポアップ。5回は森岡啓斗内野手(3年)をカーブで空振り三振を奪った後、河瀬智哉内野手(2年)を外角速球で見逃し三振。3者連続三振を奪った。鮮やかな9回3安打完封。中西は「1点しかなかった。ぐだぐだすると打撃のリズムを持って来られない。打たせて取って、守備からリズムを作れればいい」と話した。普段よりも変化球を多投し、凡打の山を築いた。

10球団15人のスカウトが視察する前で、9回3安打完封だった。阪神和田豊球団本部付テクニカル・アドバイザーは「テンポがいいし、球の切れで勝負するタイプ。追い込むのが早い。常にストライク先行で優位に立ちながら投球できる。真っすぐ、スライダー、どっちも質がよくなってきている」と評価した。5月9日の春季和歌山県大会決勝では、自己最速を更新する147キロをマークし、市和歌山を9回1失点完投で下していた。節目の試合でエースらしく力投。次戦は29日の準決勝で、大阪桐蔭と戦う。中谷仁監督(42)は「準備をしっかりしたい」と気を引き締めた。